夕飯はお好み焼きだった。ハイボールを飲みながら、子どもと学校の話になって、一定の学力がなければ望む高校へは入れないこと、自分は学力がなかったせいで、制服やらなんやらがアホみたく高い私立の高校へ両親に入れてもらったことなどを語るうちに、小学校の頃、担任だった先生の話になった。
その先生は当時、引っ込み思案だった私に手を挙げて発言する勇気を与えてくれ、私が勝手に作った新聞をわら半紙に印刷してクラスのみんなに配ってくれたり、私の心のチャンネルを変えてくださった先生なのだ。
お引越しされていなければ、近所にまだお住まいのはずで、ネットで調べてみたら校長→教育委員会→大学の特任教授?といった感じにガンガン出世されており、お元気な様子。
ただ、もう70歳近いと思われ。私も先生も年を取るわけで。お元気なうちに会いたいなあという気持ちが沸々と湧いてきました。会えたら、お礼を言いたい。泣いてしまうかも知れない。
大して遠いところに住んでるわけじゃないんだけど、ピンポンして訪ねるわけにもいかないし、どうしたら会えるだろう、なんてやってるうちに私もすっかりババアになってしまいました。
恥を忍んで年賀状しかないかなあ…。何年かは出していたんだけど、いつの間にか途絶えてしまった。でも他に方法がないよな…。
この年になって、父親とか親戚とかが亡くなったりして、会いたい人には会っておくべきだ、コロナだってあるしいつ何が起こるかわからない。そう思うようになってきた。モジモジ恥ずかしがっている場合ではない。もうそんな時間はない気がする。先生にお礼が言いたい!元気に生きていることを伝えたい。